二重のフリースでプチ"甲冑"体験
同じようなフリースを二枚重ねて着たことはありますか?
先日、夜更けに少しウトウトして目が覚めたら、非常に寒く、とっさにフリースを重ねて着てしまいました。
モコモコです。
腕の動きが少し制限されて、それが逆に全体の動きを効率良くしているように思いました。
不自由な方が効率が良いかもしれない、ということです。
ピアノではたまにあります。
難しい箇所で音を減らすと、かえって難しくなるケースがあります。
一番感じるのは、トリルでしょうか。
たとえば人差し指と中指のトリルの時に、その2本の指だけを素早くトゥルトゥルと動かすより、親指と小指で違う音を押さえたままトリルをしたほうが、きれいな音が出たりします。
普通に考えればトリルだけのほうが上手くいきそうなので、不思議です。
トリルに考えが集中しすぎてしまうからかもしれません。
動きを制限する服、といえば、西洋の甲冑です。
FMアレクサンダーから直接学んだアレクサンダー・テクニーク教師、ルーリー・ウェストフェルトさんの著作には、「行軍用のよろい」の写真が掲載され、
よろいは、自分自身をうまく使いこなせねばならない男のために作られたものである
とコメントされています。
アレクサンダーと私―〈アレクサンダー・テクニーク〉への道 (からだの冒険こころの冒険)
甲冑は重いから動きが鈍くなると思っている人も多いでしょうが、うまく締めるところは締めて、身体が変に動かないように着ると、着ていない時よりも逆に動きが良くなることがあるんですね。
と言っています。
甲冑までいかなくても、フリース二枚重ねでも、十分不自由で動きが変わります。
自分が考えた体幹と腕の関係より、ユニクロさんが考えた体幹と腕の関係の方が優れている、と知るのはチョッピリ悔しいです。
しかし、ピアノを弾いて調子が上がらない時などには、フリースをもう一枚着てみても良いかもしれません。