ピアノを弾いている時の創造的な瞬間
滅多にないですが、私はピアノを弾いていて、音楽が急に流れだす瞬間があります。
その時の天にも昇るような感覚は、何物にも代えがたいです。
そのためだけに、特に何の得にならないのにピアノを弾き続けているようなものです。
さすがに年数を重ねて、『メタモルフォーゼの縁側』でデビュー作のマンガを描いている高校生のうららさんのように
「1日に3回くらい正気を疑います」
とまではいきませんが、弾いている時間全部が楽しい、と感じることはありません。
先日も2小節だけ、右手の16分音符がサラーーッと流れました。
時間にして4~5秒でしょうか。
あっ、と思った瞬間には、もう通り過ぎていました。
しかしその瞬間は、音楽の神ミューズと通じ合えたような気がしたものでした。
あれって何なんでしょう?
誰でも体験することなのでしょうか?
それとも単なる錯覚か、思い込みか?
アレクサンダー・テクニークのレッスンでも、教師の導きによって何段階か一挙に引き上げられた経験は何度もあるのですが、それとも少し違うような気がします。
マイケル・J・ローズさんの言葉に(また!)
「創造性を生み出しているのは叡智(Intelligence)であって、知性(Intellect、頭で考えること)は助産婦にすぎません」
(『真理を生きる II』 第3章スピリチュアルな変容より)
というのがあって、ヒントになりそうだ、と思っています。
真理を生きる II / マイケル・J・ローズ著、大亀安美訳(知玄舎)
https://www.amazon.co.jp/dp/4434046020/
私の理解では、アレクサンダー・テクニークは「考えるワーク」で、頭をものすごく使います。
しかし、最終的にはそれも手放さなければならないようです。
実際、いくら丁寧にアレクサンダー・テクニークを使ってミューズとの繋がりを追い求めても、得られたことはありません。
残念ながら・・・
パフォーマンスそのものは良くなるのですが。