物語の雄弁さ~コミック「メタモルフォーゼの縁側」第4巻
スピリチュアルの本を4冊並行して読みつつ、コミックも読んでいるオジサンです・・・
(ネタバレあります。ごめんなさい。)
メタモルフォーゼの縁側(4) / 鶴谷香央理(角川書店)
https://www.amazon.co.jp/dp/4041088410/
(第31話~第40話)
BLを通じて出会った女子高生うららと年配の書道教師の市野井さんの交流を軸にしたストーリー。
ちなみにBLのことは全く知らないです。ホントです。
でもめちゃくちゃ面白い。
第2巻での市野井さんの「あたしがうららさんだったらね。もう描いてみちゃうかもしれないわ」という言葉から半年後。
うららが遂に作品を完成させてしまう、というのが第4巻の骨子です。
その制作過程の心理描写も秀逸。
何かを一から作り上げて完成させること。
その大変さと楽しさがヒシヒシと伝わってきます。
きっと作者も自分の処女作のことを思い出したことでしょう。
でもこれは、まさにジュリア・キャメロン「あなたも作家になろう」を地でいっている内容では?
そういう面ではとてもスピリチュアルです。
私にとって、ジュリア・キャメロンさんはスピリチュアル・ティーチャーなので。
完成後、印刷屋に原稿を預けた後のうららのほっとした表情は、ジュリア・キャメロンさんが言葉を尽くして書き上げた一冊の本に匹敵するくらい、創造の喜びを語っているように思いました。
ストーリーって凄いなあ、と思った次第です。
余談ですが、
初めて描いた漫画を完成させることができたのは、市野井さんが書道教師=表現者だった、ということも大きいのではないでしょうか。
普通の75歳のおばあさんは「描いてみちゃうかも」とはあまり言わないような気がします。
実際うららは、市野井さんの家でかなりの部分を描いたことになっています。
周りの人や環境が説得力を高めている要因となっているように思いました。
あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから/ジュリア キャメロン著、矢鋪紀子 訳