ピアノの音を一つ一つ聞き手に届ける
ピアノで弾かれた音楽を聞き手、音楽として届けるのでなく、一つ一つの音を届ける。
最近そういう試みをしています。
そもそも最近は、あまり聞く人のことを考えていなかったというのもあります。
世界一有名なアレクサンダー・テクニーク教師、バジル・クリッツァーさんは音楽の成立条件に「聞き手がいること」を挙げていたのを思い出しました。
音出しすらも、聞き手のことを考えるとか。
本番で力を出せるような練習のやり方 - バジル・クリッツァーのブログ
https://basilkritzer.jp/archives/4554.html
聴衆(他者)との関係を選ぶ練習 - バジル・クリッツァーのブログ
https://basilkritzer.jp/archives/3958.html
それはともかく、届けるのは「音楽」ではなく、「一つ一つの音」というのがミソです。
何故なのでしょう?
私もよくわかっていないです。
なぜやろうとしているかというと、以前ヤスヒロさんのアレクサンダー・テクニークのレッスンで、朗読する際に
「言葉の一つ一つを、聞き手に届けるつもりで話す」
という考えを教えていただいたからです。
ヤスヒロさんはBody Chanceのほか、カルチャーセンターなどでも教えていて、そのレッスンの様子をご自身のブログでも書かれています。
レッスンでは、話者はわからないのですが、「一つ一つの言葉」を聞いていると、より心に入ってくる感じがしました。
本当に不思議なくらいです。
「一つ一つの言葉を分けてはっきり伝えると、聞き手の脳の負担は減ります。」
これが原因のようです。
ピアノでも上手い人が弾いているのを聴くと、全体の音楽はもちろん、一つ一つの音の存在感というか、説得力が大きい感じがします。
ビーンと響く感じというか。
音楽よりも音に圧倒される、というか。
「文章を読まずに言葉を発する」
「音楽を演奏せずに音を発する」
言うほど簡単ではないのです。
ついつい気持ちを込めてしまうのですよね~
ゆっくりな曲から、少しずつやっていきます。
ヤスヒロさんのホームページは、レッスンの模様のほか、FMアレクサンダーの著書の翻訳などもあり、オススメです。