ささやきはよく届く

ささやいた声は想像以上に遠くまで届くような気がします。

物理的な音量がない方が、注意をひきつけるから、というのもありますが、それだけではないでしょう。

ささやくためには条件が必要で、普通に声を発するより、全体のより良いコーディネーションが求められるからではないか、と考えています。

 

普通の発声より空気を意識的に使うように思います。

アレクサンダー・テクニークのレッスンでも使われる「ウィスパード・アー」もその制限を利用しているのではないか、と予想しています。

違っているかもしれません。

でも、いいのです。

ささやいてみるのです。


ほんのたまに、上手くいきます。

空気の間をサーっと響きが伝わっていきます。

できない時は、一日中あれやこれやと工夫します。

そして、ほとんど無駄骨に終わります。

でも、いいのです。


オペラでも上手く使うと絶大な効果を発揮します。

ソット・ヴォーチェ(sotto voce 英語でwhisper)とかメッツァ・ディ・ヴォーチェとか言います。

ソットは英語のunder、メッツァはhalfです。

メゾ・ピアノ、メゾ・ソプラノと同じです。


オペラのささやき、と聞くとまず最初に思い浮かぶのが、ガッリ=クルチとスキーパのこのデュエットです。

www.youtube.com

劇場ではどんなふうに響いたのでしょう。

想像がたくましくなります。

 

yasuoalexander.hatenablog.com