バッハの指使い
バッハの鍵盤作品の指使いを自分で考えることほど楽しいことは、他にあまりありません。
バッハ自身のテクニックも相当だったでしょう。
バッハの手はどのように動いたのか、想像するだけでもワクワクします。
本当はどんな表現をしたいか、で決めるべきなのでしょうが、手が小さく柔軟性もない場合の選択肢は、たくさんはありません。
できる限り自然で、体に負担の少ない指使いを追求していきます。
一番は、無理な動きをしないこと。
少しでも痛みがでたら、気に入ったとしても不可です。
親指と、短い小指はできれば黒鍵を割り当てない。
そして、その調のスケールに近いこと。
親指をタイムリーに使って、他の指をサポートすること。
あとは、書き込みはできるだけ少なく。
左右で凝った使い方をすると連携しづらい場合もあります。
そして、一度決めてもあまり固執せずに、その時の感じで自由に弾くこと。
更に楽な指使いを発見する楽しみもあります。
幸か不幸か、imslpのサイトでダウンロードできるバッハの楽譜のほとんどは、指使いが書いてありません。
あまり有名でない曲や、楽譜が入手しにくい曲は、何時間も格闘することになります。
後々、楽譜を買って見比べてみるのも楽しいです。
大抵は「こんな考えがあったのか」と感嘆するのですが、自分で考えたほうが弾きやすかったり、もう癖になっていて直せない時もあります。
考えが合わない要因の一つに、スピードがあります。
自分が考えたオシャレな指使いでは、速いテンポで弾けないことが多いのです。
指定してあるものを「こんな指使いで弾けるか!」と憤っていたのに、少し弾けてくるとスムーズにできるようになっている場合もあります。
作曲家との会話はもちろん、指使い担当者との会話も楽しいものです。
さあて、来月はバッハだ!
間に合うかどうか・・・