好きなピアニスト Vol.2~アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
音色の美しさに関しては、右に出る人はいないと思います。
自分の強みを知って、こういう曲を弾いているのでしょうが。
最初に聴いたときは、このピアノは特殊で誰が弾いてもこういう音が出るピアノなのではないか、と思いました。
逆でした。
「誰が弾いても、こういう音が出るピアノ」
ではなく、
「ミケランジェリが弾けば、どのピアノもこういう音が出る」
でした。
でも、昔ほど感動はないな・・・
おかしいな・・・
きっと、自分がそれだけ進歩した、ということでしょう。
たぶんそうだ!
音が強かろうが、弱かろうが、ただ鍵盤に触っているだけに見えます。
ピアノを弾いているというより、ピアノがそれ自身で鳴っているかのような、豊かな響きがあります。
背中が伸び伸びとしているのが印象的です。
背中の広さを犠牲にして何かする、ということがないように思います。
録音の中では、ドビュッシーやラヴェル、特にラヴェルの協奏曲は素晴らしいと思います。
ラフマニノフは唯一、協奏曲第4番の録音が残っていて、たまに聴きます。
独奏曲も合いそうな曲があるのですけど。