素振りの功罪
遂にバッティングセンターも“営業自粛”になってしまいました。
悲しいです。
地元のバッセンは屋外なのですがねえ。
もちろん、誰もマスクをして振ってはいませんでしたが。
そう言えば、先日マスクをしてバスケットをしている方を見かけました。
きっと特別に心肺能力を鍛えるためでしょう。
バスケは汗が飛び散るので、極めて危険なスポーツですね。
“ソーシャル・ディスタンス”が大切です。
そんな訳で、素振りだけをしています。
しかし、素振りのし過ぎは危険でもあります。
以前バッセンで、毎日素振りをしているらしい男の子が全球空振りしていたのを見たことがあります。
本当にたった一球すら、かすりもしませんでした。
見かねて、コインをあげるからもう少し打ってみたら?と提案したのですが、悲しそうに帰っていきました。
打てる人が素振りをすればより打てるようになるが、打てない人が素振りをするとより打てなくなる、ということだと思います。
アレクサンダー・テクニーク的に言うと、素振りはボールが向かってくる、という刺激がない状態です。
刺激に反応する、という運動なのに、刺激がない。
これは、電源が入っていない電子ピアノで毎日猛練習しているようなものでしょう。
指は動くようになるかもしれませんが、自分の出す音という刺激にどう反応するか、という部分が欠けてしまいます。
ではなぜ自分は素振りだけを続けるのか。
純粋に、素振りは全身運動で、ピアノを弾くのに体がほぐれて好ましいからです。
ピアノというと、つい指の動きに注目してしまいますが、やはり体幹が大切です。
しかし、素振りをすればするほど“振る”と“打つ”がかけ離れて、バッセンが営業を再開する頃には、メタメタになっていることでしょう。
そこまでしてピアノが上達しなかったら?
それはそうと、あの男の子は打てるようになったでしょうか。
止めずに野球を続けていると良いのですが。