「それは頭と脊椎のアクティヴィティですね」

アレクサンダー・テクニークのレッスンで、生徒さんのやりたい動きを一度見た後に、教師がこう言いました。

「それは頭と脊椎(首-背骨-骨盤)のアクティヴィティですね」


きっと教師は、生徒が何をどうしたいのかがわからなかったのだと思います。

だって「頭と脊椎のアクティヴィティ」でない動きなんて、ないのですから!


今でこそ、そう断言できますが、レッスンを受けた当初には

「(ピアノなどの)末端の動きも、頭と脊椎の関係性に大きく影響を受ける」

と聞いても、ピンときませんでした。


実を言うと、今でも「そうかもね」くらいでしょうか。


たとえば、ペーター・レーゼルがピアノを弾くのを見て

「ああいう風に左手の小指を使いたい」

と思って小指をどうにかしようとしても、上手くいかない、ということです。

(以前見た、素晴らしい動画がなくなっていました・・・)


小指の動きを変えたければ、頭と脊椎の関係、特に頭と首の一番上の骨(環椎)の関係を見直す必要があります。


最近思うのは、そういう新しい思考方法というか、方向性が自分全体に浸透するのには、本当に時間がかかるのだな、ということです。

実際、私がアレクサンダー・テクニークを知ってから、何年経っているのでしょう?


もちろん、頭ではわかっています。

しかし、運用するとなると途端に昔の思考方法に戻ってしまいます。

よっぽど飲み込みが悪いのかもしれませんが。


新しい方向性を取り入れる力、それが若さなのかもしれません。

年齢に関係なく。